症  状
Acquired
Hydrocephalus
 水頭症とは、脳脊髄液(脳や脊髄を還流する液体)が、頭蓋腔内に過剰に溜まり、その結果、脳圧が上昇し、脳神経を圧迫することによって、様々な神経症状を出す病気です。この病気にかかるほとんどの子は、頭頂部の泉門の骨が薄いため、穴が開いているように感じられるのが特徴です。先天性の場合がほとんどですが、まれに交通事故などの外傷がきっかけで発生することもあります。小型犬(チワワ・ポメラニアンなど)は、かかる可能性が高く、その際は遺伝的要因が考えられます。また、この病気の完治率は5%未満、ととても低く、治療も延命措置しか取れないのが現状です。
 先天性の場合は、主に中脳水道の奇形や閉塞によるものと考えられており、その他、クモ膜顆粒の数の減少、構造の異常なども推測されています。小型犬で認められる、大孔形成不全や環軸椎亜脱臼も原因の一つと考えられています。
 後天性の場合は、事故、炎症、腫瘍、栄養障害、ビタミン欠乏などが、考えられています。
 神経症状が主であり、不全麻痺・斜視・眼球振とう・筋硬直などの運動障害、精神状態の変化、重度の場合は全身性のてんかん様発作などが起こります。また、元気がなくなる、嗜眠・活動性の低下・痴呆・行動異常などの意識障害なども見られます。該当する部位の脳組織が圧迫されるため、障害を受ける部位・程度・期間により、異なった症状が出たりします。
 常に脳は圧迫を受け、その慢性的な脳圧が脳細胞を徐々に圧迫し、だんだんと脳細胞を退化させていくため、症状は、時間と共に悪化する経過をたどるのが一般的です。

水頭症

  原  因