1974〜77
オリジナルメンバーそれぞれの活動


●ロジャー・マッギンの場合
ソロアルバムを数枚発表する一方、ロジャー・マッギン&バンド、サンダーバードといったグループ活動もおこなう。またボブ・ディランのアルバム製作をサポート。ローリング・サンダー・レビューにも参加する。 サンダーバードのメンバーには、ずっとのちになってリンジー・バッキンガムの後釜としてフリートウッド・マックに加入したリック・ヴィトーや、一時的にポコのメンバーとして活動することになるチャーリー・ハリスンなどがいた。

●ジーン・クラークの場合
オリジナル・バーズの面々が集まり、再結成アルバム制作のきっかけになった『Roadmaster』セッションは、いったんは録音が中止されたものの、話題は集めたし、結局、未発表曲集として73年にオランダA&Mから発売された。その評判を受けて、77年までに2枚のアルバムを製作。しかしセールス的には伸び悩んだようだ。

●デビッド・クロスビーの場合
全米アルバムチャート1位を獲得した『4 Way Street』の後、CSN&Yはいったん活動を“停止”。デビッドはソロや、グラハム・ナッシュとのデュオにより何枚かアルバムを発表。また商業的成功を収め、押しも押されもせぬビッグネームになっていたニール・ヤングを除いたCSNの3人が“再結成”した『CSN』を発表したりしている。

●クリス・ヒルマンの場合
マナサスが解散した後、クリスはJ・D・サウザー、元ポコのリッチー・フューレイらとサウザー・ヒルマン・ヒューレイ・バンドを組んで西海岸ロック・ファンの注目を集める。デビューアルバムはチャート11位を記録するものの、もう1枚アルバムを録音しただけで解散する。もともとレコード会社の思惑によって仕組まれた成り立ちを持つ“スーパー”ユニットだから、話題性に乏しくなった時点でさっさとやめるのが正解だろう。

●マイケル・クラークの場合
ソングライティングの面ではメンバー中もっとも目立たなかった(笑)マイケルだが、フライング・ブリット・ブラザースで同僚だったリック・ロバーツらとファイアーフォールを結成し、まあまあの小ヒットくらいは飛ばすなど、けっこう活躍している。



●1974年、ドゥービー・ブラザーズが初期の代表作『Captain And Me』を発表する。

●1975年、イーグルスが『One Of These Night』さらに翌76年『Hotel California』と、たてつづけにセンセーショナルなアルバムを発表。「1969年以来、スピリッツは持ち合わせていない」と歌う。同時にそれは、フォークロックという一時代を築いたジャンルを葬り去る、弔いの辞となった。





1978〜1980
新しい航路


『McGuinn, Clark & Hillman』

12s.gRodger McGuinn
gGene Clark
bChris Hillman


g


George Terry
kbdPaul Harris
dGreg Thomas




1978年、ロジャー、クリス、ジーンの3人で、ヨーロッパツアーを敢行する。
3人はそのままパーマネントなユニットとなり、翌年にアルバム『McGuinn, Clark & Hillman』をキャピタル・レーベルより発表。 ここでは当時の主流サウンドだったAORのフレーバーを取り入れた、 モダンな音が聴ける。また、やはり当時大流行していたディスコ調の曲も。
全体に「今風」の味つけがされているが、なんとなく泥臭くもある。

実は……
告白すると、私RINGOが西海岸サウンドに興味を持ったのは、この『McGuinn, Clark & Hillman』がきっかけでした。それまで、バーズなんてグループが存在したことさえ、ぜーんぜん知らなかった。
新人にしてはやけに老けてるし、いったい何者なのだろうと調べ始めて、ようやく彼らの実績のすごさに気づいたのでした。つまり、ぼくのバーズ体験はリアルタイムではなく、時系列を逆方向へさかのぼっていったわけ。
けっこうたいへんでしたよ。78年当時は、バーズ関係のレコードが輸入盤しかなくて、しかも大きなレコード店にしか置いてない。
田舎の町から電車賃使って、秋葉原の石丸電気へ探しに行ったのを懐かしく思い出します。
輸入盤はライナーノートが付属していませんから、彼らに関する情報がなかなかわからなくてね。レコードのレーベルに、「B.Dylan」とクレジットが記してあるのを見つけて、これはボブ・ディランのことなのかなあと思い、ディラン・マニアの友人に「なあ、みすたぁ・たんばりんまんって曲、有名なの?」なんて尋ねて回ったり、そうやって少しずつデータを集めていったのです。

●同年、マッギン・クラーク&ヒルマンとして来日公演。





『City』

12s.gRodger McGuinn
bChris Hillman


vo


Gene Clark


g


John Sanbatro
dGreg Thomas




アルバム『City』では、マッギン&ヒルマンというクレジットに。 またもやジーンが離脱してしまったわけである。 ジャケットに「フューチャーリング・ジーン・クラーク」と書いてあるとおり、 2曲ほど提供しているが、誰が考えてもレコーディングの途中でおさらば しちゃったことがわかる。
コンセプトアルバムっぽい展開にしたかった様子だが、メンバーが おのおの勝手につくった曲を持ち寄っている、というやり方の悪い面が出た感じ。 率直に言って失敗作。このレコード、3〜4回ターンテーブルに乗っけただけでうんざりしてしまい、中古レコード屋に売り飛ばすという、いま思えばファンの風上にもおけないことをしました。





『McGuinn-Hillman』

12s.gRodger McGuinn
bChris Hillman




続く『McGuinn-Hillman』は、ギターアンサンブルを強調した バンドっぽい音で統一。軽快なロックナンバーが続き、 乗りがいい。よけいな力みもなく、リラクゼーションを もたらすサウンドだ。ただメリハリには欠ける。小粒。
『City』でイタイ思いを味わったので、『McGuinn-Hillman』は買う前にレンタルレコード屋で借り出して試聴した。手堅いやり方、というよりセコイですな。
しかし、その甲斐あって、ベテランらしい肩から力の抜けた音づくり────ぼく的に好みの方向性のレコードをコレクションすることができた。得点は高くつけたい。

●その後、バーズはもう一度再結成している。ジーン・クラークの始めたトリビュート・バンドが発展したもので、リック・ロバーツ、リック・ダンコといった、メンバー的にはそそられるものがある面々だ。

●90年、コロンビアからCDボックスセット『The Byrds』発売。大きなセールスを記録する。





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