コラム第9回・「マンオブ・サイヤーの一般との乖離」
近年「クイズの一般との乖離」を問題視し、「いかにクイズを一般にアピールするか」という試みが、いくつかなされています。クイズ界の人口減少・それを食い止めるためのアイデアを考え、実践する・・・。それを考えることは当然重要ですし、「一般」を意識した企画・大会は大切でしょう。
しかしここでひねくれ者としては、こんな仮説を打ち立てたくなります。
「クイズは、一般から乖離しているからこそ面白いんだ!」
さてこの仮説、意外にも当てはまる例は多いのです。
たとえば「学生系クイズ」と呼ばれるクイズを嗜好する人(々)は、問題の前フリとなる新たな事実を見つけ、それを答え、競い合うことを楽しんでいます。
また、「ベタ」と呼ばれる既出問題の問題文を細かく分析し、より早いポイントで答えられるよう努力し、みなで競い合うことを楽しむ人(々)もいます。
さらには、「ベタを避けた、より一般に向けた問題を作ろう」とし、それを出題し合うことを楽しみにしている人(々)だって、すでに「ベタ」を知っている「クイズ好き(同士)」だからこそ、新しい問題を作っていて楽しいのです。
上の三つは例は、おそらく一般の方々には理解しがたい楽しみでしょう。しかしなんだかんだ言って、「内輪で、知っている者同士でやっているからこそ楽しい」という「一般と乖離した面」が面白い部分になっているのは確かです。「一般との乖離」が、クイズの面白さの重要な部分を占めているという仮説は正しいのかもしれません。
というわけで、本題に行きましょう。この大会「マンオブ・サイヤー」は、「一般とは乖離」した企画・大会だと思います。コラム2で書いたように、この大会は「作戦面」を重視した「ゲーム大会(その途中でクイズを使う)」ですから、ほとんどの一般人には、理解しがたい領域での作戦の仕掛け合いが行われる可能性があります。これは、アタック25の「パネルのとり方・答えると不利な場面」や、コラム1で書いたような西村さんの押しを、テレビの視聴者の何%が理解しているかを想像してみればわかるでしょう。さらに言えば本大会の一部の場面では、クイズをやっている人の大半にすらその意図がわからないまま進行する可能性があります。
しかし、「一般と乖離している」からこその面白さは、必ずあるはずです。
テレビの「クイズ王ブーム」が終わって、何年になるでしょうか。その後「クイズ界」という世界では、テレビ番組の一部分のアイデアを発展させ、様々な「企画」「オープン大会」が生まれ、続いてきました。その1要素「クイズの作戦面」や「参加してこその楽しさ」も、テレビ番組から企画・オープンを通じて変化・発展してきた気がします。そしてその結果一部は、もう「テレビ」では表現できなくなってしまった要素もあるかもしれません。
「マンオブサイヤー」では、「テレビで表現できない」が「オープンでこそ表現できる」、そんな要素を詰め込んだ大会を目指したいのです。
だからといって今回の大会は、初参加者や一般を完全に置いてきぼりにする気はありません。私が高校生のころ西村さんの作戦に圧倒され感動したように、「(意味がわからなくても、)凄い作戦合戦が行われているんだ」という雰囲気が伝わればいいと思っています。そして初参加者も「一般と乖離した面白さ」の片鱗を、つかんでもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
最後にオマケですが、この大会が目指すもう一つの方向性は「交流の機会」としての企画です。おそらく大会開始時、隣の席には知り合い以外の面々が並ぶことになるでしょう(?)。そんな時は、せっかくの機会なので、積極的に話し掛けてみてください。それが企画者の望むところです。
また大会途中、いくつか「内輪受け」な場面がでてくるとは思いますが、私はそれを完全排除する気はありません。なぜなら「内輪」な場面は、その人の人間性がにじみ出たりする、面白い場面でもあるからです。そしてそんな場面が、「内輪」へ入るきっかけになるかもしれません。たとえばクイズ番組の演出で、一般出場者に感情移入させ、「内輪感」を覚えさせる手法を想像してもらえばいいのでしょうか(結局クイズ番組も、面白い部分は「内輪感」の部分ではないかな、と思ったりするんですが)。
一般と乖離し、テレビでは表現できず、やや内輪受け的な偏屈企画「マンオブサイヤー(再)」は、たったの2週間後に迫っています。
次回、ついに新作コラム?第10回「何が再放送なのか?」優勝したい人のための、企画攻略のヒントがここにある?
もうすぐ締め切り!
テレビ番組・大会・例会などでクイズを見る・あるいはやってきて、今までで最も「作戦・試合運びが上手い!」と感じた人&場面を募集します。もちろん、自分の作戦成功例を書いていただいても結構です。その場面の詳しい状況などを含めて、掲示板に書き込んで下さい。
最優秀作品を書いて下さった方は、5月10日の「マンオブ・サイヤー(再)」に出場した場合、ホンのちょっとだけ有利になる権利を得ます。締切りは、5月5日です。
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