Modeling BGM

クラシック中心ですが、年末・年始の模型工作のお供にいかがでしょう?


ベートーベン交響曲第9番「合唱付き」 Gardiner 指揮
(ポリドール)

年末と言えばなぜか「第九」です。私も最近はこの季節にしか聴かなくなりました。ガーディナーは、音楽作品が作られた当時のオリジナル楽器(period instrument)を用い、当時の奏法を踏まえた独自の解釈で指揮をする指揮者の一人として定評があります。この演奏も伝統的な「第九」よりもテンポが速めで、独特のリズム感のある小気味よいものになっています。手兵のモンテヴェルディ合唱団のうまさも相変わらずです(本当は、もっと小編成の曲の方が、うまさが一段と発揮されると思いますが・・・)。


ヘンデル「メサイア」 バッハコレギウムジャパン
(キングレコード)

年末に「第九」を聴くのは日本独特の習慣で、欧米では「メサイア」を聴くことが多いそうです。「メサイア」と言えばハレルヤコーラスが有名ですが、これ以外の楽曲も非常に聴きやすい名曲が目白押しだと思います。このディスクは私が1996年にバッハコレギウムジャパンの実演を聴いた直後に、同じメンバーによる録音で出たもので、カウンターテナー(男性がファルセットでアルトパートを歌うもの)は、後に「もののけ姫」で有名になった米良美一です。コンサートでも、米良の歌うアルトのアリアは彼の中性的な風貌とあいまって怪しげな魅力に満ち満ちていました。地声に近い低音部から高音部まで駆け上がっていくパッセージなど、背筋がぞくぞくします。米良美一はかなり好きです。


「ロマンス」 米良美一
(キングレコード)

その米良美一のソロ歌曲集です。昔、ニッカウイスキーのTVCMで有名になったヘンデルのアリア「オンブラ・マイ・フ」や、イギリス民謡の「グリーンスリーヴズ」、バッハの「アヴェ・マリア」など、誰が聞いても全13曲のうち、半分はどこかで耳にしたことがあるのではないかと思われる有名な曲ばかりが入っています。私にとって、知らなかった方の半分に属する曲で、かつこのディスクで一番のお気に入りなのが、リヒャルト・シュトラウスの歌曲「明日」と「万礼節」です。この2曲にめぐり合えて本当によかった。


"Warm Your Heart" Aaron Neville
(ポリドール)

昔「生きてこそ」という、飛行機がアンデス山中に墜落する映画を見ましたが、そのエンディングに、とてもソウルフルな歌い方のアヴェ・マリア(シューベルトのほう)が流れていました。非常に印象に残り、誰が歌っているのか調べたところ、このアーロン・ネヴィルという人だということがわかりました。(そういえば、ネヴィル・ブラザーズというグループ名だけは聞いたことがありました。)このディスクの最後で、そのアヴェマリアが聴けます。割と最近も、自動車のTVCMで何度か同じ曲が使われているのを耳にしました。


"Music for Trumpet & Organ" Maurice Andre
(東芝EMI)

トランペットの名手モーリス・アンドレのオルガン伴奏つき名演集。1曲目のオープニングファンファーレが祝祭的な気分を盛り上げた後、上で出てきた「オンブラ・マイ・フ」、「アヴェマリア」を含む有名曲が次から次へと出てきます。トランペットとオルガンというのが、絶妙の組み合わせであることを納得できる1枚。


「琴」ヴィヴァルディ<四季> 琴ニュー・アンサンブル
(東芝EMI)

ヴィヴァルディの「四季」と言えば、学校の音楽の授業でも習うほどの有名曲ですが、これは琴のアンサンブルによる珍しい演奏。琴の音色がお正月気分にマッチします。プリマ、第1琴〜第3琴までの4人が通常の13絃の琴、低音部を受け持つその他の2人が17絃の琴を演奏しているとのことですが、すばらしいテクニックです。


バッハ リュート作品集 今村泰典
(ETCETERA)

お次は、琴と音色が似ていると言えなくもないリュートのディスク。典雅な響きのリュートは現在は廃れてしまっているようですが、昔は専用のソナタなども作曲されていました。これはバッハのリュートソナタで、ギターで演奏されることも多いですが、ここではちゃんと当時と同じリュートで演奏しています。へヴィメタルのギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンが引用しているフレーズも数箇所出てきます。


ヨーヨー・マ ベスト・アルバム
(ソニー)

最後はヨーヨー・マのベスト曲集。バッハの無伴奏チェロソナタから、TVCMでおなじみのピアソラの「リベルタンゴ」まで、幅広いジャンルの曲が集められていますが、私が一番気に入ったのはモーツアルトのピアノ四重奏曲でした。彼のチェロはヴェルベット・トーンと言われることもあるぐらい美しい音色で、ハイドンのチェロ協奏曲のディスクなんかもお勧めです。