1/32 田宮 F-4J ファントム製作記

田宮の1/32ファントムは、スライド金型を用いた一体成形の胴体パーツが特徴です。インストに沿って、まずダクトと排気管の内側を塗装し組み上げ、胴体にネジ止めしました。胴体下面部の竹の子状になっている排気管後方パーツは、合いが悪かったです。本来は左右一体の水平尾翼も先に組み込んでから、このパーツを接着するのですが・・・
後々マスキングの邪魔になることが明白だったので、左右の水平尾翼結合部を切り離し、後付けできるようにしました。
今回の製作で一番楽しかったのが、コックピットでした。さすがに1/32ともなると、ストレートに組んでも充分な仕上がりです。塗りわけに前後席合わせて半日かかりました。主要な計器については、ガラス板代わりの透明パーツの後ろに計器が印刷されたデカールを貼るようになっています。小さな計器はモールド表現のみされているので、白鉛筆でドライブラシのようにモールドをうきたたせ、アクリルのクリアを流し込みました。
強度を持たせるために、脚注はメタルパーツの芯をプラパーツで覆うような仕組みになっています。足回りの細かい部品の整形は、小スケールよりも作業がしやすかったです。
完成後の保管場所に困らぬよう、垂直尾翼は着脱式にします。プラペーパをベロに貼り付け、がたつきをなくしました。垂直尾翼が別パーツになっていたおかげで、塗装時のマスキングが楽だったので、小スケールでもこういう部品割りにしてくれるとありがたいような気がします。
胴体と主翼を接合(ネジ止め+接着)し、コックピットをマスキングして塗装に入ります。主翼外翼部とノーズコーンも取り外し式にするので、この状態でフィニッシュまで持っていきます。
年が明けて、カッティングマットが新調されています。水平尾翼のリベットラインに沿って、色が変わって見える機体があるので、マスキングテープを貼りこんでトーンを変えてみました。かなりしんどかったので、2度とやりたくありません。
デカールはキット付属のScale Masterを使いましたが、フィルムが薄くて扱いに気を使いました。その割にはなじみもそれほどよくなかったです。主翼の国籍マークが外翼の折りたたみラインにかかるので、いったん外翼を仮止めし、デカールを貼ってから折りたたみラインに沿ってカットしました。デカールの青に合わせて調色し、ノーズコーン、キャノピーフレーム、アンチグレアを塗りましたが、完全に乾燥させて色あわせをしなかったせいか、ちょっと色調が違ってしまいました。
ウォークウェイのデカールが真っ黒でどぎつく感じたので、薄めたグレーを軽くオーバースプレーしました。青いストライプのデカールにグレーがかからぬよう、ストライプの幅に切り出した湿らせた新聞紙でマスキングしました。
ノーズコーンは着脱可能にするため、内側にフックを接着し、輪ゴムをかけて胴体に固定できるようにしました。ノーズコーン下部に位置決め用のピンを埋め込みましたが、胴体側の受け穴の位置が少しずれてしまいました。
キットの排気ノズルにも感銘を受けました。エッジは1/72のパーツより薄いのではと思うほどで、もちろんちゃんと多角形になっています。
下面の白は、全面発色させるのがしんどいので、ある程度塗ったらパネルラインを塗り残すようにすると、プリシェイディングしたようになります。ライトグレー/ホワイトの機体には油絵の具のデービスグレー(やや緑がかったダークグレー)でスミ入れしています。バイセン塗装に武装は似合わないとの口実で、ミサイル類は省略してしまいました。
本体のデカール貼りを終えたところで、座席回りにとりかかりました。フェイスカーテンハンドルは、黄色に塗ってから、細切りにした黒のメタルックをらせんに巻きつけていきました。1/72よりもやりやすかったです。
ほとんど素組みだったにもかかわらず、やはり、1/32は時間がかかりました。機首横のラムエアインテークは若干長すぎるようなので、模型誌にならって1.5mmほど切り詰めました。機首下、前脚収容部前方の小さなブレードアンテナの位置も若干疑問ですが、そのままです。サイドワインダーランチャーが、前から見てへの字になってしまうのも、正しくないそうです。タイヤはゴム製で、ひいき目に見ると、自重変形しているように見えます。さすがに完成したときの迫力はものすごいです。
大判のデカールが余ったので、ゴミ箱に貼り付けてしまいました。昔、ステッカーのおまけがついたキットもあったように記憶していますが・・・